Zoomでオンラインイベントを企画する方法やポイント、注意点を解説
オンラインイベントの開催に必要なWeb会議ツールは多種多様で、どれを選ぶべきか悩む場合もあるでしょう。多くの方に使われているZoomでも、オンラインイベントの開催は可能です。
Zoomは操作がシンプルで使いやすく、バーチャル背景でイベントを盛り上げることができるなどメリットが多い動画配信ツールです。
今回はZoomでオンラインイベントを開催するメリットや方法、流れ、成功させるためのポイント、注意点を紹介します。本記事を読めば、Zoomでオンラインイベントを開催するための情報を幅広く入手できるはずです。
目次
Zoomでオンラインイベントを開催するメリット
Zoomは複雑な操作を必要としないため、ユーザーが使いやすいツールだといえます。シンプルな手順で会議を開催でき、参加者は送付されたURLをクリックすればイベント会場に入れます。
またバーチャル背景機能を使い、イベントへの没入感を得ることも可能です。ここではZoomでオンラインイベントを開催する3つのメリットを解説します。
シンプルな操作感なのでITツールに慣れていなくても使いやすい
シンプルな手順で参加者との接続が可能なため、ITツールに慣れていない方やオンラインイベントの実施が初めての方でも戸惑わずに操作できる可能性が高いです。
また自動的に発言者へ焦点を当てるスピーカービューや入室を許可していない人の侵入を防げるブレイクアウトルーム機能など、ユーザーの利便性を高める機能も充実しています。
セキュリティ面の強化にも取り組んでおり、参加者の個人情報流出に気を付けたい方にも適したツールです。
参加者への負担が少ない
参加者はZoomのアカウントを持っていなくても、送付されたURLにアクセスすればイベントに参加できます。Zoomはブラウザからも使えるため、アプリをインストールしていなくても問題ありません。
ただしブラウザよりアプリのほうが通信環境は安定しています。可能であれば、参加者にはZoomアプリのインストールを推奨しておくとよいでしょう。Zoomはアプリのインストール・利用ともに無料です。
バーチャル背景でイベントの趣旨に即した画像を設定できる
Zoomは画面の背景を変更するバーチャル背景機能が備わっています。初期設定の画像だけでなく、自分で撮影した写真も背景に使えます。オンラインイベントの趣旨に即した画像に変更すれば、参加者はリアルイベントのような臨場感を得られるでしょう。
たとえば表彰式を開催するなら華やかな舞台の画像、懇親会ならパーティー会場という具合です。参加者の興味を惹き、飽きずにイベントを楽しんでもらうには、バーチャル背景の活用が効果的です。
Zoomでオンラインイベントを開催する方法
Zoomでオンラインイベントを開催する方法は、ZoomミーティングとZoomビデオウェビナーの2つです。Zoomミーティングが複数人で議論する場面で使われるのに対して、Zoomビデオウェビナーは基本的に一人が大勢の参加者に向けて話す場面で使われます。
ここではZoomミーティングとZoomビデオウェビナー、それぞれの特徴や利用に適した場面などを紹介します。
Zoomミーティング
Zoomミーティングは参加者全員が一つの部屋に入り、議論する機能です。参加者同士の意見交換や質疑応答が可能なため、オンライン懇親会やグループディスカッションの開催に適しています。
入室パスワードの設定や画面共有、音声や映像のレコーディング、チャットなど便利な機能も。ただし無料プランの場合、100人までしか同時に参加できず、3人以上では40分までの時間制限が適用される点には注意が必要です。
100人以上の規模でオンラインイベントを開催する場合や、40分以上の尺が見込まれる場合は、有料プランを検討しましょう。
Zoomビデオウェビナー
ウェビナーはwebとセミナーを掛け合わせた造語です。Zoomビデオウェビナーはセミナーのように一人が大勢に対して話す場面で使われる機能です。
Zoomビデオウェビナーにおいて、関係者の役割は主催者・パネリスト・参加者の3つです。主催者や一部のパネリストは自分の画像や音声を他のメンバーで共有できる一方、参加者は主催者から許可を得たときのみ発言を認められます。
ビジネスで得た知見を参加者に伝えるセミナーや、発信者に注目してもらいたいイベントではZoomビデオウェビナーの活用が適しています。
Zoomビデオウェビナーを使用するには、有料ライセンスに申し込む必要があります。上限人数によってプランや料金が異なるので、参加人数や必要な機能を考慮してプランを選びましょう。
参加上限人数 | 利用料/月 |
500人 | 1万700円 |
1,000人 | 4万5,700円 |
3,000人 | 13万3,100円 |
5,000人 | 33万4,700円 |
Zoomミーティングでオンラインイベントを開催する流れ
PCアプリの場合、「新規ミーティング」もしくは「スケジュール」から参加者をオンラインイベントに招待できます。「新規ミーティング」からオンラインイベントを開催する流れは次のとおりです。
- 「新規ミーティング」のクリック
- ミーティング画面の左上に出てくるボタンをクリック
- 「リンクをコピー」をクリック
- メールやLINEなどでURLを送付
「スケジュール」を使う場合は、次の流れで進めます。
- 「スケジュール」をクリック
- イベント名や開始日時、接続時間などを入力
- セキュリティの項目で「待機室」が必要であれば設定
- ビデオのオン・オフを設定
- スケジュールを組み込むカレンダーサービスを選択
- 「保存」をクリックするとURLが生成される
「スケジュール」を使うとGoogleカレンダーやOutlookのカレンダーにミーティングの予定を組み込めるため、スケジュール管理にも役立ちます。
主催者としてZoomミーティングを使う場合はアカウントの作成が必要です。Zoomアカウントを作成するには、メールアドレスがあればOKです。公式ホームページの右上に出てくる「サインアップは無料です」をクリックし、案内に沿って手続きを進めましょう。
Zoomビデオウェビナーでオンラインイベントを開催する流れ
Zoomビデオウェビナーを活用してオンラインイベントを開催する流れは次のとおりです。
- 「ウェビナー」を選択
- 「ウェビナーをスケジュール」をクリック
- イベント名や開催日時など必要な項目を入力
- 「招待状」という項目からウェビナーのURLをコピーし、参加者に共有
「ウェビナーをスケジュール」の入力箇所には、注意が必要な項目もあります。「登録」は参加者にZoomへのログインを求める機能です。URLを知った外部の者の侵入を防ぐため、チェックを入れることをおすすめします。
「質疑応答」はウェビナーの最中に、参加者が質問を投げかけられる機能です。参加者は説明でわからない部分があっても、その場で疑問を解消できます。内容に対する参加者の理解を促進したいなら、「質疑応答」にチェックマークを入れるとよいでしょう。
「実践セッション」は主催者が事前リハーサルを行う機能です。チェックを入れておけば、通信環境や進行手順などを確認できます。
Zoomでオンラインイベントを開催する際のポイント
Zoomのオンラインイベントを成功させたいときに意識したいポイントを紹介します。
- リマインドメールの有効活用
- アンケート機能を使って参加者の反応を確認する
- 質疑応答機能を活用し、不明点のある参加者をフォローする
- オンデマンド機能をオンにする
- ブレイクアウトルーム機能を活用する
ここでは、各ポイントの具体的な内容を解説します。
リマインドメールを有効活用する
オンラインイベントは参加へのハードルが低い一方、予定を忘れたり面倒になってしまったりして参加率が低くなることも考えられます。リマインドメールを送信することで、参加予定者にオンラインイベントの開催を印象づけられます。
Zoomはパネリスト用、参加者用など種別に応じて、メールの文言を変えられるのが特徴です。また1週間前、1日前、1時間前などメールを送るタイミングを指定できます。段階に分けて複数回メールを送付すれば、イベントの予定を忘れるリスクを減らせるでしょう。
アンケート機能を使って参加者の反応を確認する
Zoomの「アンケート」は、オンラインイベントの開催中に参加者へ質問を投げかけ、投票によって回答する機能です。たとえば新商品発表会なら「この商品を買うつもりはありますか?」と聞き、「はい/いいえ」で答えてもらうことが可能です。
全員の回答が揃えば、その場で結果を画面に映し出せます。アンケート機能を使うことで、参加者の反応を即座に確認できます。事前の準備が前提となりますが、参加者の反応に応じてその後の内容を変更してもいいかもしれません。
参加者はボタンをクリックするだけなので、イベントに集中しながら回答できます。アンケートはイベント開催中も作成可能ですが、余裕を持って進行するために、事前の設定がおすすめです。
質疑応答機能を活用し、不明点のある参加者をフォローする
設定時にウェビナーの質疑応答機能をオンにしておくと、イベントの開催中、画面に「Q&A」ボタンが表示されます。参加者は質問事項があれば「Q&A」ボタンを押し、聞きたいことを書きこみます。
設定によって、匿名の質問を可にしたり、参加者が他の方の質問を閲覧できるようにしたりすることも可能です。主催者はテキストで返信するほか、ライブ配信中に口頭で回答してもいいでしょう。
オンデマンド機能をオンにする
オンデマンド配信とは事前に作成した動画データを動画共有サイトやサーバーにアップロードし、視聴者が好きなときに閲覧できる配信方式です。当日は他の用事がありイベントに参加できなかった人も内容を確認できるため、実質的に参加者数を増やせます。
オンデマンドウェビナーではイベントの動画をクラウドに保存し、後から視聴できるよう記録に残せます。登録制のイベント動画は後で閲覧する際にも、登録が必要です。
氏名や年齢、人数などイベント後に閲覧した視聴者のデータを得られるため、参加者の属性をより詳しく把握できます。
ブレイクアウトルーム機能を活用する
Zoomには大勢の参加者を少数に分けられるブレイクアウトルーム機能が備わっています。大人数だと発言がためらわれ、また発言機会も少なくなりがちです。少人数のグループに分ければ、参加者一人ひとりの積極的な発言が期待できるでしょう。
グループディスカッションやオンライン懇親会など、参加者同士の密なコミュニケーションが求められるイベントでは、ブレイクアウトルーム機能を使いましょう。
Zoomでオンラインイベントを行う際の注意点
Zoomでオンラインイベントをつつがなく行うために、トラブル防止策やスムーズな進行のコツを紹介します。
- 開始時間の設定では開場時間も考慮する
- 雑音が入り込まないよう参加者にミュートを推奨する
- 事前にリハーサルを行う
- 当日の迷惑行為への対応を考えておく
- 開場時にスライドで注意事項やスケジュールを説明する
紹介するのはトラブルの発生を防ぎ、参加者に満足してもらうために重要なことばかりです。ここでは、各注意点の具体的な内容を解説します。
開始時間の設定では開場時間も考慮する
オンラインイベントの作成では、イベントの開始時間をそのまま開場時間に設定してしまわないよう注意しましょう。
参加者は開始時間を迎えないと入室できないため、全員が揃うまで待つ必要があります。そのため、事前に案内していた開始時間より実際の開始が遅れてしまうのです。
参加者が入室する開場時間も踏まえて、スケジュールを予告する必要があります。開場時間を考慮すれば時間的余裕が生まれます。主催者・参加者ともに準備の時間ができ、機材トラブルや全員が揃わないときなど、不測の事態が発生しても対処しやすくなるでしょう。
雑音が入り込まないよう参加者にミュートを推奨する
参加者のマイクがオンのままだと、周囲の物音が紛れ込むおそれがあります。他の参加者がイベントに集中できなくなり、発言者も気が散るでしょう。「入室時にミュートする」をオンにしておけば、自分の声や物音が他の参加者に流れることを避けられます。
個人にミュートへの変更を依頼するほか、主催者が参加者全員の設定を変更することも可能です。Zoomミーティング画面の下部メニュー内の「参加者の管理」をクリックすると、「すべてミュート」ボタンが表示されます。
このボタンをクリックし「続行」を選べば、参加者全員のミュート設定が完了します。参加者に自らミュート解除させないようにするには、オプションで表示される「参加者に自分のミュート解除を許可」のチェックを外してください。
事前にリハーサルを行う
音声や画質、通信環境、スライドの見え方などを確認するために、必ず一度はリハーサルを行いましょう。Zoomビデオウェビナーの設定画面で「事前セッションを有効にする」にチェックしておけば、リハーサルを実施できます。
当日の迷惑行為への対応を考えておく
勝手にミュートを解除して話し出したり、画面共有を開始したりするなど迷惑行為に及ぶ参加者が出る場合もあります。荒らし行為の対策としては、Zoomの強制退出機能が効果的です。
参加者ボタンから迷惑行為をする方のアイコンにマウスポインタを合わせ、詳細ボタンの中にある「削除」をクリックしてください。退場させられた参加者は再度入室できなくなるので、迷惑行為の撲滅には強力な手段です。
開場時にスライドで注意事項やスケジュールを説明する
イベントの説明事項を減らすために、注意事項やスケジュールなどを記載したスライドを作成し、開場時に画面共有しましょう。伝達漏れが防げるだけでなく、待ち時間を有効活用してスムーズな進行に繋がります。
イベントのルールやお願いごとといった重要事項をスライドに残すことで、迷惑行為の減少や、発言や挙手など参加者の能動的なアクションが期待できるでしょう。
まとめ
Zoomでオンラインイベントを開催するには、Zoomミーティング、もしくはZoomビデオウェビナー機能を使用します。Zoomミーティングは参加者同士で活発なコミュニケーションを求めるとき、Zoomビデオウェビナーは一人が大勢に対して発信する場面に適しています。
Zoomミーティングは、制限はありますが基本的に無料で実施できます。Zoomビデオウェビナーは有料ライセンスに申し込まなくてはならないので注意しましょう。
この記事を書いた人
しゅんぺい@ライター